今回も養生訓で知られている貝原益軒の楽訓からの言葉です。

貝原益軒は楽訓の中で、下記の言葉を記載しています。

つねの気象は従容として不迫、この四字を守るべし
従容とはおもむろにして、しずかなるをいふ

常に心を落ち着けて、慌てないこと。

しずかならざればあやまる事多し

慌てれば結局失敗することも多いですよ、と説いています。

以前よく大先輩に「急ぐときほどゆっくりと。」とよく言われました。

慌てれば慌てるほど、結局は細かなことまで配慮が届かず、思いのほかミスをしてしまうことは経験があるのではないでしょうか。うまくいかないのは自分の心の乱れのせい、周りが見えなくならないよう注意したいところです。ピンチの時もチャンスの時も悠然と構えること。中国の故事六然訓(自処超然、処人藹然、有事斬然、無事澄然、得意澹然、失意泰然)の心境です。

貝原益軒は1714年85歳という江戸時代にしては大変長寿で亡くなっていますが、この大先輩が85年の生涯の教訓として、「従容不迫」、常に慌てず事に対処することを我々後輩に言葉を残してくれています。

貝原益軒は20歳のときに当時の藩主黒田忠之の怒りに触れ計2回蟄居を命じられ、2回目は7年間失業という不遇に見舞われています。こういった不遇を経験してきた方の教訓ですので、説得力をもってきます。

従容不迫

この心がけを大切にしたいです。

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