吉田松陰が入獄する際に、父杉百合之助が与えた言葉

一時の屈は万世の伸なり。

これは吉田松陰が入獄される際に父杉百合之助が松蔭に送ったとされる言葉です。
時代は違えと、藩の禁を破り入獄されるときに、この言葉が言えるのは、まさに父百合之助もすばらしい教育者だったと言えます。

一時の屈は万世の伸なり 杉百合之助

自分の息子が入獄するとなれば、ややもすれば「なんて事をしたのだ」「家名を汚した」などの言葉がでるところ、そこを一時の苦労は今後伸びるための試練という言葉をかけ励まし、家中においては松蔭を講師として孟子の講義を行わせ、松蔭のやる気を奮起させています。

まさしくこの父ありて、松蔭あり。というところです。

この家中において孟子の講義は、最初は家族だけでしたが、親戚など次第に広がり、松下村塾という名で、明治政府を代表する多くの偉人を輩出していることは有名なところです。

自分の思いを信じて突き進んでいく猛烈な強さを松蔭の言葉や行動に感じます。松蔭の言葉に「学者になってはいけない。行動をしろ」というような言葉があったかと思いますが、実践を重んじた松蔭の思想(陽明学)は子弟たちに伝わり、明治へと新しい時代を切り開いています。

現在に不満を言う前に、今自分ができること、今ある場所で精一杯実践していくことが次につながると信じて行動していきたいと思います。

至誠実行

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